和尚の月いちメルマガ・2025年6月 雨の日も、心は晴れる
2025年06月01日
6月は雨の多い季節です。
空を見上げれば、どんよりとした雲。
出かける気分も沈みがち。
そんな時ふと思うのが
「どうして私たちは、雨の日にこんなにも
気持ちが沈んでしまうのだろう?」
仏教では、私たちが苦しむ原因を「執着」と教えます。
「こうであってほしい」
「こうじゃなければ嫌だ」
その気持ちが強ければ強いほど、思い通りにいかない現実に
心がかき乱されます。
たとえば、「晴れてほしい」という期待。
それが叶わないと落ち込んだりしてしまいます。
でも、本当は、雨が悪いわけではありません。
私たちの心のなかに、「晴れであってほしい」
という想いがあるだけ。
仏さまの教えでは、こうした“思い”を手放して
今ある現実をそのまま受け入れることを
「諦観(ていかん)」といいます。
「諦める」という言葉は
本来「真理を明らかに見る」という意味があるそうです。
雨が降っている。
それはただ、そういう日なのです。
でもその日にも、紫陽花は美しく咲いています。
雨音は静けさを生み、木々は生き生きと葉を広げています。
そして何より、心の中に晴れ間をつくることは、誰にでもできるのです。
温かいお茶を飲む時間、大切な人と交わす笑顔、ひとつの深呼吸。
心が少し軽くなったなら、それはもうあなたの中に太陽が差し込んでいる証拠です。
「雨の日も、心は晴れる。」
この言葉が、今のあなたの心に、そっと光をともしますように。
メルマガご拝読ありがとうございました。
合掌 林 映寿